■■　ＫＬ近郊の空気

 

「冬の寒さが苦手だから。」「春の花粉症をのがれたくて。」「喘息があるから。」といった理由でマレーシア移住を希望される方も多いようですが、果たしてマレーシアの気候はそういったものに効果があるのでしょうか。

常夏の国マレーシアは当然のことながら日本のような寒さの厳しい冬はありません。常夏といっても熱帯夜の続く日本の夏よりは涼しいくらいです。花粉症で苦しんでこられた方の中には、確かにマレーシアに来て症状がでなくなったと喜んでいる方も多いです。ただ「喘息がよくなると聞いて」という話には私自身が長年の持病で喘息に苦しんでいる立場から首を傾げざる負えません。

ＫＬなどの都会では車も多く、建築ラッシュもあり排気ガスやほこりも多いです。人や車の多い東京や大阪などの大都会から来られる方にとっては同じようなものかもしれませんが、日本でも自然の多く残る空気のきれいなところから来られる方にとっては、反対に空気の悪いところへわざわざやってくるようなものです。

特に雨の降らない時期になると、ヘイズ(haze)の問題が持ち上がってきます。ヘイズはお隣のインドネシアの、特にスマトラ島の森林火災の煙が風に流されてマレー半島までやってくることによって起きる大気汚染です。でもＫＬからＫＬＣＣ方向へ車を走らせると、火もないのに地面から煙が立ち昇っているのを見かけることがあるでしょう。これは地面の下にある泥炭が燃えているためだそうです。必ずしもインドネシアだけが原因ではないということですね。

ヘイズは７月８月の雨の少ない時期に一番ひどくなりますが、あまりにもひどい時には昼間でもライトをつけて走っている車を見かけましたしマスクなしではいられず、子供さんのいる家庭では日本に一時的に避難するということも見られました。

被害は年によって違い、２００７年は幸いヘイズの被害は少なくて済んだようです。

(マレーシア独立５０周年のため周辺国も配慮したのか？ともっぱらのうわさです）

２００８年もわりと雨が多く、それほどひどくはありませんでした。

■■　空気の汚れ対策

　

喘息など喉の粘膜の敏感な方には、空気清浄機またはその機能の付いたエアコンは必需品です。

(一説によると空気清浄機ですべての有害物質は取り除けないそうですが、ないよりあったほうがいいというのが使っている実感です）

２００５年のヘイズのひどい時期には空気清浄機が売り切れで買おうと思っても購入できなかったそうなので、心配な方はお早めに準備されたほうがいいかもしれません。

 

ヘイズとともに心配なのがインドネシアで過去死者４０名を出した鳥インフルエンザ（bird flu)です。ローカルの人でも気にする人は結構いるようで、お店に行くと「鳥インフルエンザのウイルスを殺すことができる機能がついている」と謳ったエアコンも売られています。シャープ、パナソニック、ＬＧといったメーカーから発売されています。鳥インフルエンザが気になる方はお店で「バードフル対策のエアコン」と指定して購入されるといいでしょう。（もちろんエアコンでなく空気清浄機でもＯＫです。）

マレーシアでは鳥インフルエンザは発生していないという政府発表もありますので、気にならない方にはもちろん必要ないでしょうが、マレーシア人の中にも政府の発表を信じていない人もたくさんいるのが実情です。

我が家では念のためベッドルームのエアコンだけは、日本メーカー（一台はシャープ、一台はパナソニックのものです）の鳥インフルエンザ対策のものを取り付けています。安いエアコンは、涼しくなればそれでいいという感じで、ものすごい勢いで風が吹き出してきて、風量の調節をしてもまだうるさい場合もあるのですが、日系マーカーの最新のものは風量調節をするとエアコンをつけているのかつけていないのわからないくらい静かです。音が気になる方にも日系メーカーさんのものはおすすめです。

 

エアコンを使うとどうしても空気が乾燥します。マレーシアでは安価な加湿器は売られていませんので感想に弱い方は日本から加湿器を持ってきたほうがいいかもしれません。（その場合変圧器が必要です）

以前はあまり見かけなかった加湿器ですが最近はマレーシアでもいくつかの種類が販売されているようです。

 

外に出かけるときはマスクもあったほうがいいのですが、こちらでは使い心地にいいマスクは手に入りません。日本で性能のいいマスクを買って来られた方がいいと思います。

 

隙間だらけのマレーシアの家では、スポンジつきのテープなどで隙間をふさぐ努力も必要かもしれません。これもこちらでは日曜大工のお店で売られているのですがかなり高価です。日本の１００円ショップで買ったほうが絶対にお得です。

 

日本では花粉症や風邪の時期には「鼻うがい」用の液が売られていますが、こちらでは薬局やクリニックで「海洋深層水のスプレー」というのが手に入ります。（製品名は「　STERIMAR　」）

最近の研究では目や鼻を洗うのに水道の水を使うのは塩素が逆に害を及ぼすと言われていて、塩素の含まれていない深い海のきれいな水が使われているのだそうです。ヘイズがひどいときには外から家に帰った時にそんなスプレーを利用するのもいい方法だと思います。耳鼻科のお医者さんもすすめている製品で私も友達数人も愛用しています。（ジャスコにも売っていますよ）
ＫＬでの生活

■■　湿気対策

常夏のマレーシアでは、建物の作りや階によってかなり湿気が多い場合があります。風通しがいい建物でも、空気の入れ替えの少ない洋服ダンスや戸棚の中がかび臭くなってしまうことも多いようです。そのため日本でもよく使われている２層にわかれた乾燥剤（時間がたつとプラスチック容器の下の部分に水がたまってくるタイプ）あれがマレーシアでも売られていますので、湿気の多そうなところにあちこち置いておいたほうがいいいと思います。我が家ではジャスコブランドの黄色い蓋のフローラルの香りのものがお気に入りで、本棚の中やキッチンの流しの下などありとあらゆるところにおいてあります。ジャスコ以外のメーカーのものも、スーパー、１００円ショップ、ダイソーなどで簡単に手に入ります。

最近は日系の会社でカビ予防のためのグッズ（シートその他）を販売してるところもあるそうです。日系情報誌の広告をチェックしてみましょう。

 

 

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